スラリー導入/黒鉛炉原子吸光法による生物試料中の微量銅の定量

概要

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微粉末の生物試料を1mol l^<-1>硝酸溶液でスラリー化し, その一部(10μl)を黒鉛炉内で原子化することによって生物試料中の銅の定量を試みた. 銅0.50μg以下を含む生物試料をポリスチレン製沈殿管に1〜10mg量り取る. 1mol l^<-1>硝酸溶液5.0mlを加え, 超音波発生器に60秒間入れて試料を分散させる. 試料が均一に分散したら10μlを黒鉛炉に注入し, 原子化させ, 銅の原子吸収のピーク面積を測定する. 試料中の銅含有量が少ない場合, スラリーを導入するごとに灰化段階まで加熱し, 黒鉛炉上に銅を濃縮する. なお, 本法において標準溶液を1mol l^<-1>硝酸酸性にマトリックス合わせすると定量値に誤差を生じる. 本法では検量線作成にマトリックス合わせを必要とせず, 標準溶液をそのまま用いることができる. 本法を幾つかの標準試料に適用した結果, 保証値と良く一致した値を得た. 一例としてNIST SRM 1566aの定量値は63.2±2.2μg^<-1>(n=6)であった.
1999-03-05