蛋白質の消化に関する研究(第2報) : ドーパ・メラニンのトリプシン阻害機構について
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概要
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ドーパ・メラニンのトリプシン阻害機作について実験検討した. (1) ドーパ・メラニンのトリプシン阻害反応はその反応系のpHによって影響され,酸性側に於てより強く現れる.又その際共存する緩衡液中のイオンによってその阻害度pH曲線は変化する. (2) この阻害反応の活性化エネルギーはpH3の塩酸溶液中では10,000 calと2,000 calであり, pH7.3の燐酸緩衝液中では4,500 calと2,500 ca1であった.いずれの場合もアレニウスの直線に臨界点を有し,反応は二種類から成立っている事を示している.又その活性化エネルギーの低い事から共有結合は関係せず,酵素とメラニンは水素橋結合,ワァンデーワールスの力,イオン結合等の結合によって複合体を作ると考えられる. (3) メラニン濃度の阻害度に対する影響より阻害次数は1.5であった. (4) pH3にて一定時間阻害反応を行わしめた場合はその反応物質の稀駅, Na+及びプロタミン等の添加を行っても阻害酵素は活性を回復する事は出来なかった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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