蛋白質の消化に関する研究 : 第3報メラニンの枯草菌プロテアーゼ阻害について
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概要
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ドーパ・メラニンの枯草菌プロテアーゼ阻害機作について実験検討し次の如き結果を得た.(1)ドーパ・メラニンは枯草菌プロチアーゼとPreincubateする事により可成り強力なる阻害反応を生ぜしめる.(2)この反応にはpHが関係し一般に酸性側に於てより強力なる阻害を起しpH7付近よりアルカリ性側に於ては阻害は起らなかつた.又この阻害度とpHの関係よりこの枯草菌プロテアーゼの酵素活性団の一部にはヒスチヂンのイミダゾールが関与して居る事が推察される.(3)この阻害反応は非可逆的な反応であり,この阻害機作を究明する事により酵素-基質反応の解析が可能であるる.(4)この阻害反応は阻害次数の解析によりメラニン-分子と酵素-分子との間に生ずる反応である事が推定される.(5)この阻害反応の活性化エネルギーは7600Cal,及び3100Calの二種類であつた.この事より結合力の非常に低い水素橋結合又はフアンデンワールスの力か又は一部のイオン結合等が阻害反応に関与する事が考えられる.又アレニウスのプロットに一つの臨界点が現われる事より考えて少なくとも二種以上の結合型式が関与して居ると思われる.(6)又この阻害反応はNa^+,Ca^<++>等の無機イオンによつて影響されいづれの場合もカチオンの存在は酵素阻害を低下せしめた.終りに当り結晶枯草菌プロテアーゼを御恵与された大阪大学蛋白質研究所赤堀四郎教授に感謝致します.
- 千葉大学の論文
- 1961-12-31
著者
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