肉エキス中のペプチッドの分離について
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概要
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(1)ペーパークロマトグラフィによって,鶏肉および牛肉の肉エキスから二種のジペプチッド(カルノシンおよびアンセリン)を検出した.(2)カルノシンとアンセリンは,濾紙上ほぼ同一の位置にスポットが現われ,フェノール性溶媒に対するRf値は0.8〜0.9,ブタノール・酢酸・水系溶媒に対するRf値は約0.02で,青色であった.ペーパークロマトグラフィによる相互の分離は不能であった.(3)カルノシンとアンセリンを,酢酸緩衝液によりpH4.7に調製せる弱酸型陽イオン交換樹脂Amberlite IRC-50に捕集することが出来た.また,鶏肉および牛肉から得た肉エキス中より,これらジペプチッドを強酸型陽イオン交換樹脂ダイヤイオンBKおよびダイヤイオンSKによって分離することが出来た.鶏肉の場合,分離の状態から考え,試料調製を満足すべき状態で行った場合,これらジペプチッドをより多く分離出来るものと考える.(4)カルノシン,アンセリンを,イオン交換樹脂により相互に分離することは出来なかった.本実験は,当時本学職員であった彼谷俊夫氏の絶大なる援助,協力によったものであって,ここに同氏に対し深甚なる感謝の意を表する.
- 1959-12-31
著者
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