3-Methylundecaneおよび2-methyl-2-nonanolの微生物転換

概要

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炭化水素酸化菌Nocardia sp.BPM 1613による1, 3-ブタジエン,プロピレンおよび1-ブテンを基本骨格とする交互重合オリゴマー(3量体)およびそれらの誘導体からの酸化生産物の検索を行った.これらのオリゴマー類のうち,本菌株は3-methylundecaneを唯一の炭素源として生育し,培養液中に2種の酸化生産物を蓄積した.培養液のエーテル抽出物を分取用TLCプレートにより単離・精製し,IR,1H-NMR,13C-NMRスペクトル等により酸化生産物の構造を検討した結果,3-methyl-pentanoic acidよびDL-3-hydroxy-3-methylpentanoicacidであることを確認した.これらの化合物は,3-methylundecaneの本菌による代謝中間産物と考えられる. また,本菌株は2-methyl-2-nonanolを炭素源として利用できないが,n-hexadecaneでの培養菌体に本基質を添加して培養を続けたところ,培養液中に酸化生産物の生成蓄積が認められた.培養液のエーテル抽出物をシリカゲルカラムにより単離後・精製,酸化生産物の構造を検討した結果,2-methyl-2-nonanolのω-位のメチルが酸化を受けた新規化合物8-hydroxy-8-menhylnonanoicacidであることを確認した.
社団法人日本農芸化学会の論文