人乳カゼインのアクリルアミドゲル電気泳動とDEAEセルロースカラムクロマトグラフィーによって分離した各画分のアミノ酸組成
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概要
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人乳カゼインのアクリルアミドゲル電気泳動ならびにDEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーによって分画した各画分のアミノ酸組成を分析し,次のような結果を得た. (1) 人乳全カゼインのアクリルアミドゲル電気泳動図のパターンは分娩後10日までは不完全であるが,それ以後では6本の完全なバンドパターンを示した. (2) 人常乳カゼインは通常6本の完全なバンドパターンを示すが,各個人および泌乳期によって異なり, 12例中1例では分娩後10日以内と同様不完全なバンドパターンを示した. (3) 人乳全カゼインの窒素,燐およびシアル酸含量はアクリルアミドゲル電気泳動図のパターンと同様,かなりの変動を示した. (4) DEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーによって分画した9つの画分のうち,β-カゼインを主成分とするF-2からF-5はほぼ同様なアミノ酸組成を示した.γ-カゼインを含むF-1はF-2からF-5と比較してプロリンとロイシン含量が高かった.牛乳κ-カゼインと同様糖を多く含み,アクリルアミドゲル電気泳動で幅広いバンドを示すF-9はF-2からF-5と比較して,アスパラギン酸,グリシン,アラニン,シスチン,アルギニンおよびトリプトファン含量が高く,プロリン,ロイシンおよびリジン含量が低かった.
著者
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長沢 太郎
玉川大 農
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長沢 太郎
森永乳業株式会社中央研究所
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清沢 功
森永乳業株式会社中央研究所
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朝内 ひろ美
森永乳業株式会社中央研究所
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桑原 邦介
森永乳業株式会社中央研究所
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清沢 功
森永乳業株式会社,中央研究所
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