トリプシン, パンクレアチンおよびペプシンによるカゼインおよび大豆タンパク質の消化性に及ぼすフィチン酸の影響
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概要
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1) トリプシンおよびパンクレアチンによるカゼインおよび大豆タンパク質の消化性は, いずれのフィチン酸濃度 (0〜50mM) においても, ほとんど影響が認められなかった。しかし, カルシウムイナン (0〜50mM) が共存すると, フィチン酸存在の有無にかかわらず, トリプシンによる消化性が低下する傾向が認められた。<BR>2) ペプシンによるカゼインの消化性は, フィチン酸濃度の増加とともに低下した。カルシウムイオン (0〜50mM) が共存した場合, その濃度による消化性への影響は認められなかった。<BR>3) フィチン酸存在下で酵素処理したカゼインおよび大豆タンパク質の電気泳動図によると, フィチン酸濃度の増加とともにペプシンによるαs-およびβ-カゼインの消化性はいずれも低下した。しかし, 大豆タンパク質では, 11Sより7Sグロブリンの消化性が抑制された。<BR>4) フィチン酸存在下におけるペプシンによるカゼインの消化性の低下は, フィチン酸がペプシンと特異的に結合するためではなく, カゼインとの相互作用によるものと推察した。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
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