人乳の無機塩類に関する研究(第1報) : 人乳の超遠心分離による沈降物中の窒素,カルシウム,燐含量について
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概要
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泌乳日数38〜218日の18人の婦人から22試料の人乳を採取し,それぞれの試料について,超遠心法により乳汁中の窒素,カルシウムおよび燐の沈降性を観察した.その結果を平均値および標準偏差で表わすと次のとおりである. (1) 40,000r.p.m. (105,400×g), 20分間の遠心分離により,人脱脂乳中の全窒素の25.9±8.1%,カルシウムの12.6±7.9%,酸可溶性無機燐の6.7±4.5%が沈降した.沈降した全窒素のうち82.3±8.5%がカゼイン態窒素であり,17.7±8.6%が非カゼイン態窒素であった,沈降したカゼイン態窒素は全カゼイン態窒素の64.6±18.6%であった. (2) 沈降物中には,カゼイン態窒素1mg当り,カルシウム0.094±0.042mg,酸可溶性無機燐0.018±0.015mg,カゼイン態燐0.031±0.021mg,エステル燐0.002±0.005mgが含まれていた. これらの値は試料によって著しく変動したが,泌乳日数との関係はみられなかった.以上の結果を牛乳と比較検討した.
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