イチゴの果実組織の培養における葉条形成
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概要
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イチゴの果実 (果床) 組織の培養による栄養繁殖の可能性を調べる目的で, 母果実の齢および外植組織における種子の有無と外植組織から形成されてくるカルスの性状, 生長量との関連性について調べた.1. 2および7日齢の果実組織を種子を除去せずに,0あるいは0.1mg/lのBAと1あるいは5mg/lの2,4-Dを含む培地で培養した場合に, 生長の旺盛な白色水浸状のカルスが形成された. このカルスを10mg/lのBAと0.1mg/lの 2,4-Dを含む培地で培養すれば葉条を分化させることが可能であった.2. 2および7日齢の果実組織を種子を除去し, 1あるいは、5mg/lのBAと0.1あるいは1mg/lの 2,4-D を含む培地で培養した場合に, 葉条を分化しうる緑色のかたいカルスが外植組織表面全体に形成された.3. 種子を除去しない7日齢の果実組織, あるいは種子の有無にかかわらず12日齢の果実組織を0.1あるいは5mg/lのBAと1あるいは5mg/lの2,4-Dを含む培地で培養した場合に, 極めて小さな細胞からなる白緑色のかたいカルスが外植組織の周辺部に形成されたが,このカルスは葉条を分化しなかった.4. 17日齢の果実組織を培養した場合, いずれの区においても細胞肥大のみが起り, カルスの形成は認められなかった.5. 果実組織から直接形成される緑色のカルスから分化する葉条も, 白色水浸状のカルスを継代培養して得られる緑色のカルスから分化する葉条も, 分離して生長調節物質を含まない培地で継代培養を行うことで容易に発根し, 幼植物体が得られた.
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