ユリ茎端部組織の生育に及ぼす培地組成及び培養条件の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
テッポウユリを中心に, 数種類のユリについて茎端部組織の培養を行い, 葉条や根の形成•生育におよぼす培地組成及び培養条件の影響について検討を行った.1. 塩類濃度 (特にNとK) の高いMSの主要塩類組成を用いると, 茎端部組織の生育が促進され, 速やかな発根と葉条基部の肥大•りん片化が認められた.2. 茎端部組織の生育に対する培地の好適pH範囲と培地の硬度の影響を調べた結果から, 寒天8g/lを加え, pHを5.7に調整した培地が適していることがわかった.3. 茎端部組織から得られる葉条の生育と球根の肥大は, NAAを0.1mg/lの濃度で培地に添加することに268 河原林和一郎•浅平 端より促進さた. また, ヤマユリ, カノコユリでは, BA0.1〜1.0mg/lあるいはカイネチン1.0mg/lを添加すると, 茎端部組織の表面全体から多数の芽が分化し多芽体 (不定芽塊) が形成された. この不定芽塊は, 分離して移植すると培地中の生長調節物質の種類に応じて不定芽増殖や球根形成を行い, 増殖材料として利用できることがわかった.4. 茎端部組織から得られる葉条の生育には, 23〜28°Cの培養温度が適しており, 23〜24°Cでは葉の伸長が促進され, 27〜28°Cでは伸長葉数が減少し, りん片の肥大が促進された.5. 培養中の照明については, 1,500〜4,000lxの照度で十分であり, 葉の伸長も良好であった. 暗黒でもりん片の肥大は比較的良好であったが, 葉の伸長は抑制された.6. 茎端部組織の生長円錐体側を下にして培地に置床すると, カルスのみが形成された.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- 異なる換気条件の培養器内におけるカラジウム小植物体の生長に及ぼす明暗周期の影響と日CO_2吸収量との関係
- 明期長および明暗周期がサトウキビ培養器内気相環境に及ぼす影響
- カラジウム葉身切片の培養で再生した植物体における葉色変異の品種間差異
- カラジウムの不定芽原基集塊のホモジナイザ-破砕片からの植物体の再生
- シュッコンカスミソウ"ブリストル・フェアリ-"栄養系統の生長と開花に及ぼすBA処理の影響〔英文〕
- 春咲きグラジオラスの形態的,生化学的品種分類及び主要品種の類縁関係について
- 春咲きグラジオラスの生態的品種分類
- トマトの乱形果発生に及ぼす植物生長調節物質の影響
- シュッコンカスミソウブリストル•フェアリー選抜系統の生長•開花に関する葉条と根の相互作用
- C3およびCAM植物の培養器内気相環境と日長の関係
- イチゴ果実の成熟におけるサイトカイニンとABAの役割
- 生態型の異なるメロンの耐乾性の差異 : 第2報 生理的差異について
- 生態型の異なるメロンの耐乾性の差異 : 第1報 形態的および生態的差異について
- 花茎節間切片の培養による Phalaenopsis の新しい繁殖方法
- in vitro培養におけるイチゴ果実の発育におよぼす数種の植物生長調節物質の影響
- イチゴ果実の成熟におよぼす果実中の内生サイトカイニンの影響
- ウイルスフリー•ユリ球根の in vitro における増殖
- イチゴの果実組織の培養における葉条形成
- ヤナギタデのアントシアニン生成に及ぼす光および植物生長調節物質の影響
- サトイモ(Colocasia esulenta Schott)カルスからの植物体の再生
- カラジウムの葉身切片の培養で再生した植物体における葉色変異の品種間差異
- カラジウムの不定芽原基集塊のホモジナイザー破砕片からの植物体の再生
- 春咲きグラジオラスの形態的, 生化学的品種分類及び主要品種の類縁関係について
- 春咲きグラジオラスの生態的品種分類
- トマトの乱形果発生と茎頂部の内生ホルモン及び栄養との関係並びに乱形果発生の制御
- シュッコンカスミソウ‘ブリストル•フェアリー’栄養系統の生長と開花に及ぼすBA処理の影響
- シュッコンカスミソウの花芽形成
- In vitro培養における培養器内へのCO2施用が培養植物の生育に及ぼす影響
- シュッコンカスミソウシュートの異なる生育段階における高温遭遇がロゼット化および奇形花発生に及ぼす影響
- トマトの乱形果発生の品種間差および乱形果発生と茎頂部の栄養•ホルモンレベルとの関係
- ユリ茎端部組織の生育に及ぼす培地組成及び培養条件の影響
- グラジオラス球茎の休眠(第2報) : 温度処理と抑制物質いついて
- サトイモのカルスの形成および増殖
- ホルクロルフェニュロンによるオ-キシン誘導単為結果トマト果実の空どう果の発生抑制