施用窒素形態とそ菜の適応性 : (第1報)水耕栽培において硝酸, アシモニア, 亜硝酸を窒素源とした果菜の生育並びに窒素同化
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概要
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形態の異なるN源を与えた場合のそ菜の生育及びN同化を比較するため, NO3, NO3+NH4, NH4, NO3+NO2,NO2を施用して, 12種類の果菜を水耕した. 実験は低N (2me/l)と高N(12me/l)及びpH 5と7を組合せた4種処理条件下で行った. 処理期間は3週間とした.1. NO3をN源とした場合, 生育は一般に低Nより高Nにおいて優れたが, インゲンマメは低Nの方が良好に生育した. また多くの果菜で, pHの影響はあまり認められなかったが, トウモロコシはpH 7の場合pH 5をかなり下回る生育であった.2. NO3+NH4区の生育は処理条件にかかわらず, いずれの作物もおおむね良好で, NO3区と同程度あるいはこれを上回る乾物増加を示した.3. NH4区の生育は培地のpH及びN濃度に影響され, 一般にpH 7•低Nでは良好に生育し, pH 5•高Nでは生育が阻害された. マメ類やトマト, ピーマンなどはNO3区に比べNH4区で生育阻害が目立ったが, トウモロコシやイチゴはNH4区でも比較的良好に生育した.NH4区の生育反応と葉のNH4-N含有率との間にはおおむね明りょうな関連が認められ, 生育良好なものは葉のNH4-N含有率が低かった. またNH4に対する生育適応性の差異は, 葉のNH4-N/amide-N比や不溶性N/全N比などとも関連が認められる場合があった.4. NO3区と比べNH4区では一般に葉のK, Ca, Mg含有率が低下した. その程度はトウモロコシ, イチゴではわずかで, ピーマン, トマト, スイカなどでは著しかった.5. NO3+NO2区及びNO2区では生育に対しpH及びN濃度の影響が強く, 一般にpH 5は7より, 高Nは低Nより生育阻害が顕著であった. しかしNO3+NO2区は低Nで, NO2区はpH 7•低NでNO3区に匹敵する生育を示す果菜も認められた.メロン, ナス, キュウリ,トウモロコシはNO2区での生育が比較的良好であったのに対し, インゲンマメは著しく生育を阻害された. またエンドウ, エダマメ, トマトはpH 7•低Nでのみ生育が良く, オクラはpH 5では供試果菜中NO2害を最も強く受ける作物であり, pH 7では最も受けにくい作物であった. NO2に対する生育適応性の差異と葉中N成分,あるいは無機要素組成との間には, 明りょうな関連は認められなかった.
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