育苗時の最低気温が一段栽培トマトの生育ならびに果実の収量と品質に及ぼす影響

概要

論文の詳細を見る
冬季の一段栽培トマトにおける育苗時の夜温の影響を明らかにするため, 5, 10, 15, 20℃に最低気温を設定したハウス内で養液栽培によりトマトを育苗した.苗の生育は最低気温が高まるにつれて増加し, 最低20℃育苗区で新鮮重, 草丈, 葉面積ともに最大となった.展開本葉数は有効積算温度に正比例して増加した.回帰分析の結果から, いずれの最低気温区で育苗しても品種ごとに単一の直線により回帰され, 回帰係数は'桃太郎', 'マルチファースト', 'TVR-2'においてそれぞれ, 0.0157, 0.0147, 0.0153と評価された.出らい後, 最低気温20℃に設定したハウス内に移植して一段栽培したところ, 育苗時の最低気温が低くなるにつれて, '桃太郎'以外の品種では花数が有意に増加した.また, 育苗時の最低気温が低くなるにつれて, 1果実重は増加する傾向がみられたが, 最低5℃育苗区および最低10℃育苗区では乱形果の発生が顕著で, 正常果収量は有意に低下した.果実糖度は育苗時の最低気温が高まるにつれて有意に増加した.
2001-11-15