対数廻転セクターによる珪酸塩岩石の分光分析
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概要
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従来,微量元素の地球化学的研究においては,その迅速性,簡便性の故を以て,孤光スペクトルによる分析法が広く用いられている.併しながら,多数の元素を同時に定量することは,孤光中における各元素の分別的蒸溜現象のため,かなりの困難が伴う.Goldschmidt,Sahama,Mitchell等の広汎な地球化学的研究においても,ある程度精度を儀牲にして,内部標準法によらない半定量法が用いられている.Brayの方法では,塩化パラジウムを内部標準とする方法が採用されているが,中型程度の分光器しか使えない現状においては,そのまま採用し難い.内部標準法を用いる場合には,各元素の揮発度に応じて,数種の内部標準が併用されることが望ましいが,筆者らは,塩化ナトリウムを分光学的緩衝剤として添加することにより,ビスマスを内部標準として珪酸塩岩石中の鉛,錫,ゲルマニウム,ニッケル,コバルトを同時にかつ迅速に定量することが出来たので,その詳細に関して述べる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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