EDTA-NaBr複合支持電解質を用いるスズ(IV),鉛(II)のポーラログラフ法による同時定量 : 錯形成剤を用いるボルタメトリーの研究(第2報)
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概要
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スズ(IV)と鉛(II)の分離波を得るため,支持電解質としてEDTAとNaBrとの合溶液を用い,スズ,鉛のポーラログラフ的挙動を基礎的に検討した.その結果,EDTA5×10<SUP>-3</SUP>〜1.2×10<SUP>-2</SUP><I>M</I>,NaBr1.5〜3<I>M</I>,ゼラチン濃度0.004〜0.008%,pH1.3〜1.7でスズ(IV)は-0.71V(対SCE)付近に半波電位をもち,拡散電流定数<I>I</I>=4.65(20℃)なるスズ(IV)→スズ(0)への良好な一段波が得られた.この還元波は拡散律速で温度係数約+2.0%であった.これらの条件下でスズ(IV)は8×10<SUP>-5</SUP>〜2×10<SUP>-3</SUP><I>M</I>の範囲で拡散電流と濃度との間に良好な比例関係が得られた.一方,鉛イオンは上述の支持電解質中で,pHが1〜2では臭素錯イオンとして存在し,半波電位-0.4V(対SCE)に良好な還元波を示す.したがって,3<I>M</I>NaBr,5×10<SUP>-3</SUP><I>M</I> EDTA, 0.008%ゼラチン, pH1.3〜1.7の条件でスズ(IV),鉛(II)の同時定量をおこない,10<SUP>-4</SUP>〜10<SUP>-3</SUP><I>M</I>の濃度範囲で満足すべき結果を得た.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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