カーボンペースト電極を用いるEDTA類縁化合物の陽極酸化反応 : 固体電極を用いるボルタメトリー(第2報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
EDTA類縁化合物の陽極酸化反応では,pHの増加とともに1段波から2段波となり,アルカリ性では2波が合一してふたたび1段波となる.アルカリ性のピーク電流は酸性の2倍で,NTA,EDTAおよびDTPAのピーク電流は同一濃度に対し1:2:3となり,1分子中に存在する窒素の数に比例する.pH2.0〜2.3のNTAのクロノポテンシオメトリーおよびボルタメトリーの解析より,NTAの陽極酸化反応は不可逆2電子反応であった.陽極酸化波を用いるEDTAの分析法では,pH1.8〜5.0がよく,特に0.1<I>M</I>酢酸-酢酸ナトリウム,ポリアクリルアミド0.005%の存在下で10<SUP>-5</SUP>〜10<SUP>-3</SUP><I>M</I>の範囲で良好な比例性が認められる.<BR>EDTA類縁化合物の陽極酸化反応について検討し,NTAのpH2.0近傍の反応は不可逆2電子酸化であることを確認し,分析化学的に最もよく利用されるEDTAについて酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液中での陽極酸化波を用いる場合の定量条件について検討した.この酸化波を利用することにより,金属EDTA錯イオンの組成および安定度定数の決定,金属EDTA錯イオンの生成速度の測定,およびポーラログラフ的に不活性な金属イオンの電流滴定法への応用と多くの利用面が考えられる.これらについては目下検討中であり,その成果は次報で報告する.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- メチルイソブチルケトンを用いるビス(8-キノリノラト)銅(II)の溶媒抽出ポーラログラフィー
- タリウム(III)オキシンキレートの熱分解
- メチルイソブチルケトンを用いる溶媒抽出ポーラログラフィー
- 回転カーボンペースト円板電極を用いるチロシンとβ-(3,4-dihydroxyphenyl)-l-alanineの同時定量 : 固体電極を用いるボルタメトリー(第10報)
- グラシーカーボン電極の簡単な作り方
- カーボンペースト電極を用いるチロシンの陽極酸化反応
- モノヨード酢酸の還元波を利用するヨウ素イオンのポーラログラフ分析
- カーボンペースト電極を用いるニッケル(II)EDTAの陽極酸化反応 : 固体電極を用いるボルタメトリー(第5報)
- 固体電極を用いるタリウム(I)イオンの陽極酸化反応 : 固体電極を用いるボルタメトリー(第4報)
- 錯形成剤としてEDTAを用いるタリウム(III)のポーラログラフ分析 : 錯形成剤を用いるボルタメトリー(第3報)
- 6 ポーラログラフ分析
- カーボンペースト電極における銀イオンのクロノポテンシオメトリーおよびボルタメトリー : 固体電極を用いるボルタメトリー(第3報)
- カーボンペースト電極を用いるEDTA類縁化合物の陽極酸化反応 : 固体電極を用いるボルタメトリー(第2報)
- シュウ酸-臭化ナトリウム複合支持電解質中のスズ(IV)のポーラログラフ波について : 錯形成剤を用いるボルタメトリーの研究(第1報)
- EDTA-NaBr複合支持電解質を用いるスズ(IV),鉛(II)のポーラログラフ法による同時定量 : 錯形成剤を用いるボルタメトリーの研究(第2報)
- ジメチルホルムアミド-水混合溶媒中のα-ピリジルアゾレゾルシノールおよびコバルトキレートのポーラログラフ的研究〔英文〕
- 非水溶媒中の水分について(ノート)
- カーボンペースト電極におけるCo(II)EDTA錯イオンの陽極酸化反応〔英文〕