けいそう土を固定相とするクロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケルおよび銅イオンの薄層クロマトグラフィー
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概要
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薄層クロマトグラフィーによって,従来分離の困難であった表題の金属イオン6種(原子番号24〜29の遷移金属イオン)の完全分離を試みた.吸着剤,展開溶媒などの検討の結果,次の条件で完全な分離ができた.<BR>(1)固定相としてシリカゲルよりけいそう土が適当であることを認め,塩酸処理により精製したKieselguhr Gを用い0.25mmの厚さに作ったプレートを使用した.<BR>(2)上昇2段展開法を採用し,まずアセトン-6<I>N</I>塩酸(100:3)によって5cm展開し,ついでアセトン-MIBK-6<I>N</I>塩酸-氷酢酸(45:55:3:2)でさらに5cm展開する.<BR>(3)各イオンはオキシンで呈色させ,紫外光のもとで確認を行なう.R<SUB>f</SUB>値は鉄0.97,銅0.76,コバルト0.51,マンガン0.42,クロム0.26,ニッケル0.04であった.<BR>さらに展開溶媒の組成とR<SUB>f</SUB>値の関係,オキシンによる検出限界などについて検討した.<BR>けいそう土を固定相とし,アセトン-6N塩酸(100:3,v/v)およびアセトン-MIBK-6N塩酸-氷酢酸(45:55:3:2,v/v/v/v)を展開溶媒として2段展開のTLCを行なうと,鉄,銅,コバルト,マンガン,クロム,ニッケルが完全に分離できる.<BR>この検出限界はスポットをオキシンで呈色させ紫外光下で観測すると,ペーパークロマトグラフの場合よりおよそ10倍鋭敏である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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