ESR法による鉄(III)の定量分析:塩化鉄-TBP溶媒抽出法
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概要
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塩酸溶液からTBPに抽出した鉄(III)は,ESRの常温測定で<I>g</I>=2.050±0.005,最大傾斜幅は195±30ガウスのスペクトルを与える.1.8<I>M</I>塩酸溶液から鉄(III)をTBPに抽出し,これを内径2mmの石英管に入れ,DPPHを外部標準にして,100kHz磁場変調で測定する.このDPPHの吸収強度に対する鉄(III)の相対強度より鉄(III)の検量線を作成する.鉄(III)の定量限界は10PPm/TBPである.この定量法では,コバルト(II),クロム(III),カリウム,マンガン(II),ニッケル,酸化バナジウム(II)の塩化物が1mg共存しても妨害しない.このESRシグナルはFeCl<SUB>4</SUB><SUP>-</SUP>に基づくものであることがわかった.1.8〜12<I>M</I>塩酸溶液においても,TBPに鉄(III)が完全に抽出されているにもかかわらず3<I>M</I>以上の塩酸濃度では,その増大とともにESRシグナルの相対強度は低下する.このことにより抽出液中の錯体種について検討し,さらにそのUVスペクトルについても,あわせて考察を行なった.
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