地球の地形から火星を読み解く : 巨大洪水地形と氷河地形
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概要
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近年,あいついで惑星探査機が火星に到達し,地表面の詳細な数値標高データが得られたことから,地形の解析は飛躍的に進展した.火星表面の環境は,寒冷・乾燥を主な特徴とする「極地砂漠」であると言われ,地球上のアナロジーとして南極大陸のドライバレー地域に見られる地形が用いられている.また,これまで,火星表面の広範囲に水流の侵食を受けたと考えられる地形が認識されてきたことに加えて,寒冷環境の水に関わる地形として氷河や永久凍土に起因すると考えられる地形も多く確認されており,その詳細な形態も明らかにされつつある.しかし,水が流れた地形と氷が流れた地形に決定的な違いはあるのか,といった両者の判別に関する問題は,地球上の地形についても未解決の部分が多く,火星の地形の解釈に適用する際には注意を要する.雪氷の流れによって形成される,岩石氷河や岩屑被覆氷河などの地形の解釈についても,地球上の研究例を火星の地形に単純に当てはめるには問題がある.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
- 2005-03-15
著者
-
澤柿 教伸
北海道大学大学院地球環境科学研究院
-
福井 幸太郎
国立極地研究所
-
福井 幸太郎
極地研・学振
-
福井 幸太郎
東京都立大学理学研究科地理学教室
-
福井 幸太郎
国立極地研究所(現:東京都立大学理学研究科)
-
福井 幸太郎
都立大学大学院
-
福井 幸太郎
東京都立大学大学院理学研究科
-
福井 幸太郎
情報・システム研究機構国立極地研究所
-
岩田 修二
都立大・地理
-
岩田 修二
立教大学観光学部
-
岩田 修二
東京都立大学理学部
-
澤柿 教伸
北大・地球環境研
-
澤柿 教伸
北海道大学大学院地球環境科学研究科
-
澤柿 教伸
北海道大
-
岩田 修二
立教大 観光
-
澤柿 教伸
北海道大学 地球環境科学研究院
-
岩田 修二
東京都立大学大学院理学研究科
-
岩田 修二
東京都立大学地理学教室
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