スズキ(Lateolabrax japonicus (CUVIER and VALENCIENNES)) のリンホシスティス病について
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概要
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1971年夏, 浜名湖奥部観山寺にある養魚場で養殖中のセイゴ (スズキの幼魚) にlymphocystis 力t発生した。この付近では, 5月上旬から体長4 cm程度の稚魚が採れ始めるが, その頃から稚魚の採捕を続け, 生責に順次加えるようにしている。Lymphocystis病の発生に気付いたのは, 6 中旬から下旬にかけてである。そして一週間ほど遅れて養魚場周辺の天然のセイゴにもlymphocystis病が認められるようになったという。なお養魚家の談話によれば, 同様の異常は前年にも多少見られたがそれ以前には存在していなかった由である。この病魚を6月下旬, 浜名湖弁天島所在の東京大学水産実験所の水槽に移して飼育を続けたが魚は終始元気で9月下旬飼育を打ち切るまでの間死亡するものは全くなかった。ただし病状は9月上旬に至るまで継続していた。Lymphocystis病は病理学的に十分検討されてきたものであるが, 我国では症例報告が少ない。そこでこの機会にスズキのlymphocysti病の病理組織学的観察を行なった。A histopathological ovservation was made on a spontaneous lymphocystis disease which occurred in Lateolabrax iaponicus (CUVIER and VALENCIENNES) in a fish farm pond at Kanzanji in Lake Hamana. The disease was first noticed in the early part of June, 1971 and continued till early September, 1971, when it came to an end.Part of affected fishes carried only on fins and the caudal trunk several small white warts which consisted of many lymphocystis cells. In serious cases, however, large masses of warts were found not only on the fins but also on various parts of the body surface, even on the eyes.From histological observation it was thought that lymphocystis cells in this species were originated from connective tissue cells of the skin. The lymphocystis cells had cytological features common to those described by WEISSENBERG and many other authors ; that is, very large sizes, frequently over 400 µ in diamater, thick hyaline cellmembrane, large nucleus enriched with chromatic substance, large deeply basophilic nucloli, and deeply basophilic network-shaped inclusin bodies.
- 日本魚病学会の論文
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