経皮非ステロイド性鎮痛・抗炎症剤 Etofenamate gelの抗炎症および鎮痛作用
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概要
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etofenamate gel(5%etofenamate含有)の経皮(塗布)適用による抗炎症および鎮痛作用を実験動物において検討した.マウスhistamine誘発血管透過性亢進に対してetofenamate ge1は10〜100mg/siteの塗布で用量依存的な抑制作用を示した.モルモット紫外線紅斑法において,etofenamate gelは25〜200mg/siteの塗布で用量依存的な紅斑形成抑制作用を示し,そのED50値は26.6mg/siteであった.100mg/siteの大量ではetofenamate gel塗布部位近傍の紅斑形成も抑制されたが,遠隔部位の紅斑形成は抑制されなかった.ラットfelt-pellet肉芽腫形成に対して,etofenamate gelは10〜100mg/site/dayの連続塗布で用量依存的な抗肉芽腫形成作用を示した.このとき,100mg/site/dayの大量では非塗布部位の肉芽腫形成も抑制されたが,50mg/site/day以下の塗布では有意な抑制は認められなかった.一方,ラット硝酸銀誘発関節炎の他動痛に対して,etofenamate gelは50〜200mg/jointの塗布で弱いが用量依存的な抑制作用を示し,また,ラットkaolin-carrageenin足浮腫の圧刺激痛に対しては100mg/pawの塗布で抑制作用を示した.しかし,マウスphenylquinone writhing法では,背部皮膚への100mg/siteの塗布で抗writhing作用は認められなかった.以上の試験においてetofenamate gelの基剤には有意な活性が認められなかった.これらのetofenamate gelの効力は,製剤として比較するとき,indomethacin軟膏(1%indomethacin含有)にほぼ匹敵し,副腎エキス含有軟膏よりも優れることが示唆され,特に,抗紫外線紅斑作用がindomethacin軟膏よりも優れることが示唆された.また,etofenamateは0.5〜2mg/earの塗布でマウスoxazolone誘発耳介浮腫を用量依存的に抑制し,その効力はindomethacinの約1/4であった.以上の結果から,etofenamate gelは,塗布適用により実験動物における急性および亜急性・慢性炎症ならびに炎症性疼痛様反応に対して確かな抑制作用を有することが示唆された.
著者
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横山 雄一
大日本製薬株式会社総合研究所
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石井 勝美
大日本製薬株式会社総合研究所
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門河 敏明
大日本製薬株式会社総合研究所
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中村 秀雄
Research Laboratories Dainippon Pharmaceutical Co. Ltd.
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今津 千恵子
大日本製薬株式会社総合研究所
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元吉 悟
大日本製薬株式会社探索研究所
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清水 當尚
大日本製薬株式会社
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世戸 康弘
大日本製薬
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中村 秀雄
大日本製薬
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門河 敏明
大日本製薬(株)総合研究所
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横山 雄一
大日本製薬(株)総合研究所薬理研究部
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元吉 悟
大日本製薬(株)総合研究所
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石井 勝美
大日本製薬(株)探索研究所
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今津 千恵子
大日本製薬(株)総合研究所薬理研究部
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清水 當尚
大日本製薬(株)総合研究所
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