環境要因内の後代数が少ない場合における種雄牛評価モデルの検討
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概要
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わが国の肉用牛育種集団に特徴的な小規模集団を対象とした現場検定を想定する時,環境要因内の後代頭数の少ないことが問題となる.このような記録を使って遺伝的評価を行なう際の混合モデルについて比較するとともに,予測の正確度にかかわる要因について検討した.対象としたモデルはすべてSire modelで,牛群などに代表される環境要因を母数効果,変量効果,複合効果(頭数の多い環境要因を母数効果,少ない環境要因を変量効果),合成効果(頭数の少ない環境効果の内,環境効果予測値の近い環境効果を合成したもの)および共変量(変量効果による環境効果予測値)の5モデルに設定した.なお,頭数の少ない環境効果とは1頭の種雄牛の後代牛だけからなる環境効果を指し,頭数の多い環境効果とは複数の種雄牛からなる環境効果を指すこととする.予測されるTransmitting abilityの正確度に影響を及ぼす要因は,サブクラス(種雄牛×環境効果の1つのセル)の充足率(サブクラスの内,記録があるサブクラスの率)と記録の総数であった.一方,環境効果に関連する要因では仮定した分布の型と全表型分散に占める割合が影響した.サブクラスの充足率と記録の総数が同一である限り,頭数の少ない環境効果の割合は正確度に影響を与えなかった.混合モデル間で比較すると,環境要因を変量効果とみなしたモデルの正確度が最も高く,母数効果とみなしたモデルの正確度が最も低かった.しかし,サブクラスの充足率が高くなると差は縮小した.一方,遺伝率の違いはモデル間の正確度に関する順位に影響を与えなかった,サブクラスの充足率が低い条件では,変量効果とみなしたモデルが有利であると考えられたが,それ以外ではモデルの頑健性かう効果とみなしたモデルが有利であると推察された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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