近親交配が日本ウズラ培養胚の生存日数と発育に及ぼす影響について
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概要
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本研究は,近親交配が日本ウズラ塔養胚の生存日数と発育に及ぼす影響について検討する目的で,全きょうだい交配によって近交世代を進めた場合の日本ウズラ培養胚の生存日数と発育を無作為交配群と比較して検討した. 材料は当研究室で無作為交配によって維持している閉鎖集団を起源とする近交群と無作為交配群である. 胚の培養はプラスチックラップを用い,38.0°,39.5°,35.0℃の培養温度のチャンバー内で行なった. なお,チャンバー内の湿度はいずれの場合も100%とした. 得られた結果は要約すると,以下の通りである. 1.本実験では,まず胚の最適な培養開始時期について検討した. その結果,胚の最適な培養開始時期は孵卵後2.5日目であることが明らかとなった. そこで,以後の実験ではすべて孵卵後2.5日目に培養を開始した. 2,いずれの培養温度条件下においても,近交群での培養胚の生存日数は近交世代に伴い減少し,無作為交配群に比較して短くなることが認められた. 両群間の生存日数の差異は培養温度38.0℃で最も著しかった. 3.いずれの培養温度条件下においても,近交群での培養胚の発育は無作為交配群の場合に比較して全般にわたって遅延がみられ,またその発育遅延はすでに培養開始時においても認められた. 4.以上の結果から,近交群における培養胚の生存日数の減少と発育の遅延はポリジーンのヘテロ性の低下ならびに有害遺伝子のホモ化による胚の活力減退と発育速度の低下に起因したものと考察した。
- 岡山大学の論文
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