日本ウズラにおける雄の体重,筋肉重,骨格形質の遺伝的パラメーターについて
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概要
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本研究は,ブロイラー育種において家禽の骨格と産肉能力との遺伝的関係を明らかにする目的で,日本ウズラの雄体重,筋肉重,骨格形質の遺伝的パラメーターについて検討した. 材料は当研究室で維持した閉鎖集団から作出した雄1雌3の組合せ15組から得られた221羽の雄ヒナを用いた. 検討した形質は体重,胸肉重,腿肉重および5種類の骨格形質(骨格重,骨格長,骨格幅,骨格高,胸面積)であり,いずれも8週齢時で測定した. 得られた結果は要約すると以下の通りである. 1.体重,胸肉重,腿肉重の平均値はそれぞれ91.45,16.57,13.56gであった. 骨格重,骨格長,骨格幅,骨格高,胸面積の平均値は各形質によって異なる値を示した. また変動係数は骨格長,頭蓋骨幅,頭蓋骨高では小さく,一方骨格重では高い値を示した. 2.体重,筋肉重,骨格形質の遺伝率について検討した結果,体重は0.67,胸肉重では0.45,腿肉重では0.56となり,また骨格重では0.79~0.94,骨格長では0.17~0.77,骨格幅では0.11~0.32,骨格高では0.41,0.84,胸面積では0.19の値が推定された. 遺伝率の高い形質としては,体重,腿肉重,大腿骨,下腿骨,中足骨の重さと長さ,鳥口骨長,鎖骨長,頭蓋骨幅,頭蓋骨高のあることが明らかとなった. 3.体重,筋肉重,骨格形質間の遺伝相関について検討した結果,体重と胸肉重および腿肉重との間に高い正の相関のあることが推定された. また,体重と胸骨格長,総骨格長,胸骨高,胸面積との間に,また胸肉重と胸骨格長,総骨格長,胸骨高,胸面積との間に,さらに腿肉重と大腿骨長,下腿骨長,総骨格長,下腿骨幅との間に高い正の相関のあることが推定された. 4.上記の本実験で得られた結果から,ブロイラー鶏の育種において体重あるいは胸骨格長,大腿骨長,総骨格長などの骨格長を大きい方向へ選抜育種した場合には産肉量は増加することが示唆された。
- 岡山大学の論文
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