牛乳のビタミンB2に関する研究 : I. B2と蛋白質との関係
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概要
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各種の濃度のfree criboflavin (FR)およびflavinadenine dinucleotide (FAD)の溶液中に,カゼインを浸漬し,あるいは脱脂乳に酵素処理,加熱処理を行ない,ピタミンB2と蛋白質との結合状態の一端,およびカゼイン中のFADおよびflavin mononucleotide(FMN)の含有割合について実験した.得られた主要な結果は,次のとおりである.1. FR (pH 4.6および6.8)およびFAD (pH 6.8)の溶液にカゼインを浸漬したが,カゼインへの吸着は認められなかつた.2. 脱脂乳にpepsin処理またはtrypsin処理を行なつて,総B2量を測定したところ,蛋白結合型B2含量は5〜6%であつた、そのうちカゼインと結合するものは30〜50%であつた.3. カゼインと結合する結合型B2のうち,FADは40.5%, FMNは59.5%であつた.4. 脱脂乳に三塩化酢酸を加えてpH 4.6とし,93°C5分,85°C15分,63°C30分,加熱した後,カゼインを〓別し,さらにtrypsin処理したところ,いずれの加熱処理においても,カゼイン中には,B2が検出されなかつた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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