牛乳による乳房炎検出方法に関する研究 : I 初乳わよび常乳のCatalase activityと乳房炎検出上の意義について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Catalase activityを乳房炎検出に利用する目的で,Warburg検圧計を使用し,初乳および常乳のCatalase activityを測定した。またこのactivityと白血球,pH等との関連性や,貯蔵温度及び経過時間のactivityへの影響についても検討した。主要な結果は次ぎの通りである。1. 初乳は,常乳よりもCatalase activityが著しく高く,第1日目は4271.6,μl/1.5ccで,時間の経過により減少するが,1週間経過しても常乳の範囲まぞ低下しない。.2. 乳房炎の既往症がないものから生産きれたHotis test陰牲の試料では, Catalase activityの平均は71.4μl/1.5cc,同じくHotis test陽性のものでは165.4μl,乳房炎の既往証を有するが現在では治癒し外観的には常乳を分泌するものからの試料では541.3μl,である。従つてCatalase activityが増大して165μl程度になれば,潜在性乳房炎を疑い得るし,540μl程度となれば,その疑いはいよいよ濃厚となる。3. 常乳のCatalase activityの約2/3は細菌に基ずくものであるが,このactivityが増大するにつれてその割合ほ減少し,細胞によるものの比率が著しく上昇して約80%に達する。4. 牛乳を10°,20°,30°C,にそれぞれ2時聞30分と5時間貯蔵しても,Catalase activityに有意の差が認められない。
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- ウシ初乳のIgGサブクラス分子の糖組成
- ウシ初乳及び血清からのIgG画分の調製
- 超高温処理法が牛乳のビタミンに及ぼす影響について : (I)ビタミンCの破壊
- 固定化Fcレセプターへのウシ免疫グロブリンGの結合特性
- 山羊乳および牛乳酸性ホスファターゼのアミノ酸組成と炭水化物の比較
- 牛乳アルヵリ性ホスファターゼ中の炭水化物成分
- アフィニティクロマトグラフィーによる牛乳のアルカリ性ホスファターゼの精製並びにフラボノイド及び糖質が酵素活性におよぼす影響
- 山羊乳の再活性化アルカリ性ホスファターゼの精製とその性質
- 山羊乳アルカリ性ボスファターゼの部分精製とその性質
- 牛初乳の酸性ホスフフターゼ
- 牛乳アルカリ性ホスファターゼの部分精製とその性質
- 山羊乳の酸性ホスファターゼに関する研究:分子量ならびに阻害剤と賦活剤の影響
- オレンジIIおよびコンゴーレッドによる牛乳酸性ホスファターゼの可逆的拮抗阻害
- 山羊乳の酸性ホスファターゼの精製と性質
- 山羊乳の結合水含量並に其の消長に関する研究
- 乳房炎牛乳のカゼイン,およびホエー蛋白質の電気泳動について
- 牛乳のビタミンB2に関する研究 : I. B2と蛋白質との関係
- 超高温処理法が牛乳のビタミンに及ぼす影響について : (II) ビタミンB1およびB2の破壊
- 牛乳による乳房炎検出方法に関する研究 : (II)乳房炎が牛乳の総ビタミンB_1および各種型態別ビタミンB_1含量に及ぼす影響
- 健康牛の乳汁中のビタミンC含量とその型態に関する研究
- 牛乳による乳房炎検出方法に関する研究 : I 初乳わよび常乳のCatalase activityと乳房炎検出上の意義について
- チーズ風味上の最近の諸問題
- 半脱脂乳に依るEdam型チーズ製造に關する研究 : III 水分含量が該チーズの風味特に揮発性脂肪酸含量に及ぼす影響に就て