半脱脂乳に依るEdam型チーズ製造に關する研究 : III 水分含量が該チーズの風味特に揮発性脂肪酸含量に及ぼす影響に就て
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概要
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半脱脂乳より含水量(製造後1ヶ月)46〜49%,脂肪率約20%を有するEdam型チーズを種々製造しそれ等の風味を全乳チーズ(Real Edam脂肪率約30%)と比較研究する為に揮発性脂肪酸含量をDUCLAUXの方法に依り定量した。尚含有酸の定性はヒドロオキザム酸に依るペーパークロマトグラフイーを行つた。主要な結果は次の如くである。1 全揮発性脂肪酸含量 脱脂チーズ最高にして全乳チーズ最も少なく半脱脂チーズはほゞ両者の中間なるもPepsinを添加すれば揮発性酸を増加せしめる事が出来る。2 揮発酸中の各酸の含量割合 醗酵6ヶ月に於ける揮発性脂肪酸中特に醋酸の含有割合は脱脂チーズに於ては84%にして最も多く半脱脂チーズは49.0〜71.0%,全乳チーズは56%である。従つて半脱脂チーズは全乳チーズとほゞ同様の含量割合にして此の点より考察してもほゞ同様の風味を期待し得ると云う事が出来る。3 不溶性脂肪酸 不溶性脂肪酸含量は脱脂,半脱脂及全乳チーズとも何れも醗酵日数の経過に依り増加するも其の割合は脱脂チーズ最小,全乳チーズ最高にして半脱脂チーズは其の中間なるもPepsinを添加すれば其の含量を増大せしめ得るものの如くである。尚之等不溶性脂肪酸の生成源としては脂肪以外にアミノ酸より生起するものと考えられる。
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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