牛乳アルカリ性ホスファターゼの部分精製とその性質
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概要
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牛乳(脱脂乳)をレンネット処理,硫安沈殿,ブタノール抽出,アセトン分画,セファデックスG-200ゲル〓過およびDEAEセルロース•イオン交換クロマトグラフィーによってアルカリ性ホスファターゼを約3,350倍と精製した.本酵素はポリアクリルアマイド•ゲル電気泳動的に単一蛋白質から成ることが確められた.セファデックスG-200のゲル〓過法により酵素の分子量は約190,000,最適pHは9.6から9.8の間であった.pHによる酵素の安定性について5°Cおよび33°Cで24時間放置した結果,活性は5°Cにおいてやや広いpH域(7〜10)で,33°Cにおいては狭いpH域(8〜9)でそれぞれ比較的安定であった.2価の金属イオンが酵素活性に及ぼす影響について,Mg2+, Mn2+, Co2+, Cd2+およびNi2+は賦活的で,Ca2+, Be2+およびCu2+は阻害的であった.キレート試薬は酵素を阻害した.動力学的研究において,過ヨウ素カリ(Ki=2.4×10-4mM)および正燐酸(Ki=3.0mM)は酵素を拮抗的に阻害し,ロイシン(Ki=0.2mM)およびフエニルアラニン(Ki=3.7mM)は非拮抗的に阻害した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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