見捨てられスキーマが境界性パーソナリティ周辺群の徴候に及ぼす影響
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概要
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本研究では,境界性パーソナリティ障害(borderline personality disorder: BPD)周辺群を対象として,認知行動理論的視点から,見捨てられスキーマとBPD周辺群が示すBPDの徴候との関連を調べることを目的とした。調査1・2では,大学生452名を対象に質問紙調査を実施し,見捨てられスキーマ尺度(the Abandonment Schema Questionnaire: ASQ)を作成した。その結果,ASQは「恒常的な見捨てられ・孤独」,「親密な関係に対するしがみつき・同一視」,「他者からの好意に対するあきらめ」の3因子構造であることが示され,信頼性・妥当性も確認された。調査3においては,大学生253名を対象に,BPD周辺群の徴候と見捨てられスキーマの関連を調べた。パス解析の結果,見捨てられスキーマは,感情の不安定性を介してBPD周辺群に顕著にみられる様々な行動化に影響を与えている,という因果モデルが導かれた。今後は,ASQの大学生以外の適応可能性を検討することが求められる。
著者
-
矢澤 美香子
早稲田大学人間総合研究センター
-
根建 金男
早稲田大学人間科学学術院
-
根建 金男
浜松学院大学 現代コミュニケーション学部
-
井合 真海子
早稲田大学大学院人間科学研究科
-
根建 金男
早稲田大学人間科学部
-
井合 真海子
早稲田大学人間科学研究科
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