人工血管内シャント(AVG)のモニタリングにおける静的静脈圧の有用性

概要

人工血管内シャント(AVG:arterio-venous vascular access graft)閉塞の主要な原因は流出路に発生する狭窄である.この狭窄状況を把握するため,モニタリングの1つとして静的静脈圧の測定を行った.対象は,川島ホスピタルグループで維持血液透析を受けている患者のうち,AVGをバスキュラーアクセス(VA)として,脱血と返血の両方に使用している患者102名とした.対象者全員に静的静脈圧(SVP:static venous pressure),動的静脈圧(DVP:dynamic venous pressure),収縮期血圧の測定を行い,SVPとDVPの関連性,SVPと収縮期血圧の関連性について検討した.19症例に関しては,SVPとDVPの時間経過や,血液ポンプ流量の違いによる変化をみた.SVPとDVPの間には正の相関関係がみられたが,SVPと収縮期血圧に相関はなかった.経時的にみるとSVPは徐々に低下したが,DVPは上昇することから,SVP,DVPの測定は,透析開始後早い時間で,毎回の測定時間を一定にすることや,それぞれの静脈圧を連続して測定することが重要である.透析ごとのDVPによる圧の変化と,SVPの定期的な圧の経過観察を併せて使用することで,より有用なモニタリングとして使用できる.

著者

水口 潤 川島病院
英 理香 川島病院
土田 健司 川島病院
川島 周 川島病院
林 郁郎 鳴門川島クリニック
高橋 淳子 鳴門川島クリニック
新納 誠司 川島病院
中村 雅将 川島病院

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