「社会調査のアーカイブズ学」の必要性 : ―札幌学院大学SORDが取り組んだ「夕張調査資料集成」作成経験からの提言―
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概要
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本稿ではSORDデータアーカイブの活動経験を元に、社会調査データの管理などアーカイブズ学的側面について提言を行った。第一に社会調査データの整理保存作業は調査主体自身が行うべきで、そのための標準的ルールが求められている。第二に、調査時点で実施者が正確な記録を残さないと、当時の調査の認識枠組みでは見えてこなかった対象社会の一側面を見出すという質的調査の二次分析が困難になること。第三に、当時の調査集団の仮説形成過程の追体験を可能にするために、調査の途中経過資料や知識の伝達・創出が行われる研究者集団の組織や管理方法、対象社会の構造的要因や歴史的背景などについての資料の収集が重要であり、そのためには調査のアーカイブズ学の確立が必須である。そしてこれまで歴史学者が中心だった博物館学との連携をはかる必要があるといえるだろう。
- 数理社会学会の論文
著者
-
中澤 秀雄
札幌学院大学社会情報学部
-
中澤 秀雄
千葉大学文学部 中央大学法学部兼任講師
-
新國 三千代
札幌学院大学社会情報学部
-
小内 純子
札幌学院大学社会情報学部
-
中澤 秀雄
千葉大学
-
高橋 徹
札幌学院大学社会情報学部
-
大國 充彦
札幌学院大学社会情報学部再編案検討ワーキンググループ
-
中澤 秀雄
中央大学
-
西城戸 誠
法政大学
-
祐成 保志
信州大学
-
新藤 慶
新見公立短期大学
-
大國 充彦
社会・意識調査データベースプロジェクト
-
新國 三千代
札幌学院大学人文学部
-
大國 充彦
札幌学院大学
-
小内 純子
札幌学院大学
-
新國 三千代
札幌学院大学
-
高橋 徹
札幌学院大学
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