幼保総合施設の実態と課題 : 認定こども園を扱った諸研究の検討を中心として
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概要
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認定こども園制度が発足して、約2年が経過した。認定こども園については、発足以前から制度面や実際の保育の面など、いくつかの問題が指摘されていた。そこで、認定こども園の実態を、先行研究を通じて解明することとした。その結果、以下の諸点が明らかとなった。第1に、認定こども園には特別な補助制度がないため、必要な財源を確保しながら、新しい形態の組織を運営する必要が生じていた。第2に、保育者間と保護者間のそれぞれに意識の差異が見られた。それゆえ、認定こども園の運営にあたり、統一した方向性が描きづらくなっていた。そして第3に、子どもの保育においては、保育者や設備の面で、基準の切り下げが生じる可能性があった。このことから、保育の質の低下が懸念される。ただし、認定こども園は、新たな幼保一元化に向けた第一段階ともいえる。ここで生じた問題を解決することで、より望ましい幼保一元化の実現につながる可能性もある。
- 新見公立短期大学の論文
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