自動車シュレッダーダストの乾式連続素材分離

概要

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固気流動層内での物体浮沈による比重分離の原理を利用して，浮沈物を取り出す機構を備えた乾式連続比重分離装置を作成し，自動車シュレッダーダストを乾式で連続的に素材分離することを試みた．流動化粉体としてジルコンサンドを用い，空塔速度を最小流動化速度の1.1–1.3倍としてダストの処理速度を4.4kg/hとしたところ，90%以上の純度と回収率でプラスチック・ゴムを浮揚物として，配線を沈降物として分離回収可能な結果が得られた．処理速度を増加させると配線の回収率は低下したが，プラスチック・ゴムの純度と回収率および配線の純度は90%以上の高い値となった．また，風力選別装置と乾式連続比重分離装置を併用して一連の分離実験を行った．風力選別により発泡ウレタンと非鉄金属が分離され，残ったものを比重分離することでプラスチック・ゴムと配線が分離された．風力選別と固気流動層による比重分離というごくシンプルな原理にもかかわらず，自動車シュレッダーダストを各素材に比較的高い精度で乾式連続分離可能であることが明らかとなった．
社団法人　化学工学会の論文
2003-01-20