中禅寺湖におけるコクチバスMicropterus dolomieuの生態と駆除方法の検討
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概要
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栃木県中禅寺湖では、平成7年に密放流によると思われるコクチバス(Micropterus dolomieu) が県内で初めて確認された。本種は北米原産の肉食魚であり繁殖力が強く、さらには冷水域や河川にも生息可能であることから我が国の内水面漁業や在来種に悪影響を与える事が懸念されている。そこで本種の効果的な駆除方法を確立することを目的として、平成7年から平成12年の間、毎年4月から9月にかけて本種の生態調査と駆除方法の検討を行った。期間中に捕獲したコクチバスは96尾、確認した産卵床は46個であった。捕獲方法の内訳は水中銃で33尾、地曳網で31尾、巻網で22尾、釣りで9尾、刺網で1尾であった。また、実際に産卵が行われた産卵床は10個であった。年度毎にみると、捕獲尾数、産卵床確認数ともに平成8年が最も多かった(42尾、18個)が、平成12年には捕獲尾数1尾、確認された産卵床数1個のみとなり駆除の効果が表れているものと思われた。捕獲魚の胃内容物のうち最も多く確認されたのはヨシノボリ(Rhinogobius sp。)とスジエビ(Palaemon paucidens)であったが、漁業対象種であるヒメマス(Oncorhynchus nerka)及びホンマス(Oncorhynchus sp。)の稚魚も発見された。コクチバス及びその産卵床は水温が12℃以上になる5月下旬から確認され始め、産卵床は水深1。3~4mの範囲で付近に障害物のある遠浅の砂礫地につくられる例が多かった。以上の結果から、中禅寺湖では水温12℃以上になる期間中に地曳網、巻網、水中銃を地形に合わせて使い分けて駆除を行うのが効果的であると考えられた。
- [栃木県水産試験場]の論文
- 2002-03-00
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