愛媛県下の養殖海産魚における細菌性疾病発生の歴史(1966-1992年)
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概要
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過去約25年間(1966-1992年)における愛媛県下の海産養殖魚における細菌感染症の発生状況を、主として愛媛県魚病指導センターでの診断件数に基づいてまとめた。各年の魚病診断件数のうち60~90%を細菌性疾病が占め、このうち生産量が最も多いブリにおいては、ビブリオ病(Vibrio anguillarum、 Vibrio spp.)が1966年から、類結節症(Pasteurella piscieida)が1968年から、連鎖球菌症(Enterococcus seriolicida、 Stroptococcus spp.)が1974年から発生している。更に最近ではこれらの主要な細菌性疾病の発生時期あるいは宿主範囲の広がりおよび原因菌の薬剤耐性化に加え、ブリを含む各魚種にエドワジエラ症、ノカルジア症、ミコバクテリア症などの新しい疾病が登場し、海産養殖における魚病問題をより深刻なものにしている。A review is made for the occurrence of bacterial diseases in cultured fin-fish in Ehime Prefecture from 1966 to 1992. In these 25 years, the production of marine fin-fish such as yellowtail Seriola quinqueradiata, red sea bream Pagrus major and Japanese flounder Paralichthys olivaceus has considerably increased in Ehime Prefecture. However, various kinds of diseases have occurred in these fish species, causing significant losses. About 60 ~ 90% of the disease cases of marine fin-fish diagnosed at Ehime Prefectural Fish Disease Control Center have been due to bacterial infections and major bacterial pathogens included Pasteurella piscicida (pseudotuberculosis) and Enterococcus seriolicida (streptococcicosis). Although chemotherapy with various antibiotics has been extensively applied to these two bacterial diseases, the amount of losses due to these diseases has not been reduced. The production efficiency of mariculture has become worse due to the expansion of prevalent period and host range in the two diseases and appearance of some new bacterial diseases.
- 広島大学生物生産学部,農林水産研究情報センターの論文
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