＜資料＞ＮＤＣにおける「障害児教育」目の変遷に関する一考察　：　障害児教育に関する図書分類の検討

概要

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わが国においては､NDC(日本十進分類法)に見られるように､図書館学の領域において｢学問知｣の体系化がなされてきた｡そのNDCにおける障害児教育に関する体系が｢障害児教育｣目である｡本研究では､図書館界において｢障害児教育｣目がどう捉えられNDCの中に位置付いてきたのか､またそれがどう変化してきたのかを明らかにし､その特徴を考察することを目的とした｡本研究は､文献研究とし､資料は､NDCを考案した森清の｢和洋図書共用十進分類表案｣及び『日本十進分類法(NDC)』各版を中心に用いた｡戦前期のNDCは､(1)雑多な分類項目としての｢特殊教育｣目の存在､(2)関連する分野の分類項目(例えば､｢社会事業｣など)の不可欠性という特徴を有していた｡一方､戦後は､(1)｢異常児とその教育｣としての｢特殊教育｣目への転換､(2)｢特殊教育/障害児教育｣目における細目の固定化､(3)関連する分野の分類項目とその細目の細分化という特徴を有していた｡このような変遷を経た現行の｢障害児教育｣目は､障害児教育の現状や学問の発展を十分反映しておらず､改善が必要である｡