女子医学生の精神健康度の実態調査-入学時と健診時の継時的変化-

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大学における健康支援、特に精神健康支援の重要性は、近年高まりつつある。医学部においても、人の生死にかかわる問題を扱うためストレスが多く、精神健康支援は重要視されつつあるが、実際の研究例は少ない。今回、女子医学生の精神健康度の実態調査をすることを目的として研究を行った。【対象と方法】2012 年度在籍中の女子医学生647名を対象とした。質問紙法による、縦断観察研究を行った。調査1として、2007年〜2011年度まで医学部新入生に対し(General Health Questionarre-30)GHQ-30 を無記名自記式で行った。調査2として2012年5月〜6月の健康診断時に医学部全員を対象としてGHQ-30 を行った。【結果】647名中640名(99%)から回答を得た。入学時のGHQ-30 でカットオフ値7点以上のものは、各年度で38.5〜54.9%に認められた。最も多かったのが2008年度入学者で54.9%、次いで2009年度、2007年度、2010年、2011年度であった。2012年度健診時にGHQ-30 がカットオフ値7点以上のものは全体で23.5%に認め、5年生34.8%、6年生27.1%、4年生26.1%、3年生20%、1年生18.4%、2年生15%の順で学年ごとに有意差(p=0.01)を認めた。入学時と健診時の各学年の精神健康不調者の割合と点数の平均値は健診時で有意に低下していた。下位尺度で平均値の有意な低下を認めたものは「睡眠障害」、および「不安と気分障害」であった。【考察】医学生の精神健康に関する調査は健診時には精神疾患のスクリーニングに、入学時はストレス脆弱性をもつ者のスクリーニングに適していると示唆された。
東京女子医科大学の論文
2013-08-25

女子医学生の精神健康度の実態調査-入学時と健診時の継時的変化-

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