がん医療において心理士に求められる役割について : 大阪大学医学部附属病院心のケアチームの臨床実践データから
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概要
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近年,さまざまな形で心理士が医療チームの一員として配置されるようになってきた.がん医療における心理士の役割に関して論じた先行研究はいくつかみられるものの,心理士が自らの臨床経験に基づいて役割を論じたものが中心であり,具体的な臨床実践に関するデータの解析を行ったうえでその役割を論じたものは少ない.そこで本研究では,がん医療において求められる心理士の役割について明らかにするために,大阪大学医学部附属病院心のケアチームにおける心理士の3年分の臨床実践データの中から,がん医療に関する依頼内容の統計とともに心理士が実際に介入を行った対象と介入内容を集計し,回顧的分析を行った,その結果,心理的な介入の重要な機能として「問題解決的カウンセリング」「患者家族への心理的援助」「スタッフへのコンサルテーション」の3点が同定された.これは心理士が現場のニーズに合わせて介入を行ってきた結果であり,上記3点のアプローチはわが国のがん医療の現場において心理士に求められる重要な役割であると考えられた.
- 2012-05-01
著者
-
平井 啓
大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
-
吉津 紀久子
大阪大学医学部附属病院保健医療福祉ネットワーク部
-
東井 申雄
大阪大学医学部附属病院保健医療福祉ネットワーク部
-
平井 啓
大阪大学大学院コミュニケーション・デザインセンター
-
平井 啓
大阪大学 人間科研究
-
平井 啓
大阪大学コミュニケーションデザインセンター
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