自然資源管理のガバナンス : レブンアツモリソウ保全を事例に(<特集>利用が集中する保護地域における持続可能な資源管理のあり方)
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概要
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「ガバナンス」概念の現実への適用可能性を検討するため,Rhodesの「ガバナンス」概念における「ネットワーク構成員」と「自己組織化」という2つの主要概念を取り上げ,レブンアツモリソウ保全の取り組みを事例とした実態解明を行った。レブンアツモリソウという資源の価値が,ローカルなレベルからより大きなレベルまでも含むものへと拡大したことによって,取り組みに関わるネットワーク構成員の範囲も拡大し,それによってガバナンス構造も変化した結果,ネットワーク構成員のガバナンスに対する関わり方の濃淡がより強く生じた。また,リーダーシップがネットワーク構成員全体には波及していないことに加えて,ネットワーク構成員間で共有されたビジョンが存在しておらず,ガバナンスは十分には自己組織化されていない状況にあった。以上のことから,ネットワーク構成員の範囲の拡大が,構成員間の継続的な相互関係の喪失によるソーシャル・キャピタルの減退とともに,リーダーシップやビジョンの設定が図られにくい状況を招き,ガバナンスの自己組織化が十分に機能しない状態が生じたと結論づけられた。
- 2011-11-01
著者
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