携帯電話使用と脳腫瘍の疫学研究における携帯電話使用の側性の妥当性評価

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携帯電話使用と、脳腫瘍及び他疾患のリスク評価を目的とする症例対照研究において、脳腫瘍の位置と頻繁に使われる耳の側性との関係は、その因果関係を解釈する上で重要である。しかし、自己申告による頻繁に使われる耳の側性に関する信頼性は不明である。261名を対象に、アンケート調査による自己申告の耳の側性についての記憶と、コホート研究による実際の携帯電話使用時の耳の側性を比較検討する。対象者は東京都内の病院を受診する患者及び付添者から研究調査の趣旨を説明し、承諾を得た携帯電話利用者である。自己申告による携帯電話使用時の耳の側性について、実際にその正確度は、左耳、右耳を主に使用する利用者で、それぞれ、69.5%、86.0%であり、全体では76.2%と推定された。この低い正確さは、携帯電話使用による脳腫瘍などのリスク推定を目的とする研究では、リスクの過小評価や過大評価に繋がる。携帯電話使用時の耳の側性に差があれば、同側のリスク評価に影響を及ぼす。真に脳腫瘍などのリスクがない場合でもある場合でも、リスクが過大に評価されたり、過小に評価される可能性が示された。症例対照研究において携帯電話使用時の同側に、見出された脳腫瘍などのリスク増加は、携帯電話使用時の側性の正確さに影響を受けるため、慎重に評価されなければならない。
2012-06-25

携帯電話使用と脳腫瘍の疫学研究における携帯電話使用の側性の妥当性評価

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