皮膚型結節性多発動脈炎とリベド血管症患者における抗リン脂質抗体(第一報)

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臨床的にリベドを呈し血管障害を認める疾患には、皮膚型結節性多発動脈炎、リベド血管症、抗リン脂質抗体症候群などがある。病理組織学的な所見は、皮膚型結節性多発動脈炎では真皮脂肪織境界部の小動脈炎を、リベド血管症、抗リン脂質抗体症候群では毛細血管〜細血管の血栓像を呈するという違いがあるものの、3疾患の臨床症状には共通点が多くみられる。近年、皮膚型結節性多発動脈炎において抗リン脂質抗体の1つである抗ホスファチジルセリン・プロトロンビン複合体 (anti-PS/PT) IgM抗体が高率に検出され、発症への関与が示唆されている。,今回我々は皮膚型結節性多発動脈炎と臨床的に類似点を認めるリベド血管症患者におけるanti-PS/PT抗体を含む抗リン脂質抗体の有無と血小板・凝固系検査としてβ-トロンボグロブリン、血小板第4因子、TAT、D-ダイマー、トロンボモジェリンなどについて検討した。,皮膚型結節性多発動脈炎24例中10例、リベド血管症11例中5例でなんらかの抗リン脂質抗体を検出し、皮膚型結節性多発動脈炎では、抗リン脂質抗体の中でも特にanti-PS/PT IgM抗体の陽性例が多くみられた。統計学的な有意差はみられなかったが(p=0.06)、健康人コントロールと比較して高い傾向がみられ、発症機転においてなんらかの関与をしている可能性を考えた。一方、aPS/PT-IgM はリベド血管症でも27%に陽性であり、1例では高値を示したことから、皮膚型結節性多発動脈炎とリベド血管症の一部の症例では基盤に共通の因子の存在を疑った。皮膚型結節性多発動脈炎においては、リベド血管症でみられるような血栓形成が血管内皮障害をきたした結果、最終的に血管炎に発展することが推察され、全身型結節性多発動脈炎からは独立したclinical entityである可能性を考える。
2013-04-25

皮膚型結節性多発動脈炎とリベド血管症患者における抗リン脂質抗体(第一報)

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