医学研究において統計解析を実施する際に生じる問題点と解析における困難の多少に影響する因子

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(目的)本研究は医学研究を進める際の統計解析において、どのような疑問点や不明点が問題になっており、どのような要因によりもたらされるのかを明らかにすることを目的とする。(方法)調査の対象者は、2004年1月現在で東京女子医科大学21世紀COEプログラムに参加する研究者全員とした。調査は無記名式のアンケート調査法を用いた。解析でははじめに「統計解析における困難の多少」別に「統計解析における問題点の詳細」および「統計解析における疑問点への対応方法」について分析した。続いて「背景情報」および「統計解析に関する経験」を「統計解析における困難の多少」に影響する因子と考え、ロジスティック回帰分析を行った。(結果)統計解析における問題点の詳細については「より進んだ解析方法がわからない(困難をより少なく感じている者91.3%, 困難をより多く感じている者71.9%)」「どの解析方法を選べばよいのかわからない(56.5%, 62.5%)」「わからないことを相談する相手がいない(23.9%, 34.4%)」の割合が高くなっていた。ロジスティック回帰分析の結果「職位(OR=4.30)」および「仮説検定を行った研究結果の報告(OR=3.52)」に有意差が観察された。(結論)本研究より、統計解析における困難の多少には職位および仮説検定を行った研究結果の報告が影響することが明らかとなった。一方で対象者の全員が多かれ少なかれ統計解析において困難があるとしていた。これに対応するためには、組織的な対策についても考慮する必要があることが示唆された。
東京女子医科大学の論文
2009-06-25

医学研究において統計解析を実施する際に生じる問題点と解析における困難の多少に影響する因子

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