不正咬合者における下顎頭形態と咬合関係および顎顔面形態の相互関連性

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本研究は,下顎頭形態と咬合関係および顎顔面形態の関連性を検討することを目的として行った.281名の女性不正咬合患者を対象とし,顎関節断層X線写真,側面頭部X線規格写真および口腔内模型を資料とした.下顎頭の形態を4つの型に分類し,臼歯部の咬合関係をAngle分類に準じ3つの型に分類した.また10項目の計測項目より顎顔面形態を評価した.それらのデータより,下顎頭形態と咬合関係,下顎頭形態と顎顔面形態との関連を検討した結果,以下の結論を得た.1.下顎頭形態1型が全ての咬合関係において最も多く認められ,特にAngle III級において多く認められた.下顎頭形態2型はAngle III級において少なく,下顎頭形態3型はAngle III級においてII級に比べ多く認められた.下顎頭形態4型はいずれの咬合関係においても少なかった.2.Angle I級においては,下顎頭形態2型,3型が前歯部被蓋の浅い顎顔面形態を示した.また下顎頭形態4型では下顎の前上方回転が軽度に認められた.Angle II級においては,下顎頭形態2型および3型が下顎の後方位,後下方回転という顎顔面形態を示していた.Angle III級においては,下顎頭形態2型のみが前歯部の被蓋が正被蓋であった.3.AICによる分析の結果,下顎頭形態と最も関連の深い計測項目はramus inclinationであったことから,下顎枝の傾斜と下顎頭形態との間に最も関連があることが推定された.また下顎骨の水平的関係が垂直的関係よりも,相対的に下顎頭形態に関連していることも推定された.

不正咬合者における下顎頭形態と咬合関係および顎顔面形態の相互関連性

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