脳血管疾患の危険選択
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概要
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本邦の脳血管疾患の死亡率は,昭和40年後半以降低下傾向にあるが,今なお悪性新生物,心疾患についで主要な死因の一つである。また今後更なる高齢化社会の到来により生命保険の危険選択にも,大きな影響を及ぼす可能性があり,引き続き注視する必要があると考えられる。そこで脳血管疾患を第1傷病(欠陥)コードに持つ当社新契約を抽出し,2007年国民表および無条件体を対照として,性別,年齢層別,第2疾病コードの有無,死因別等,様々な角度から死亡指数の検討を行った。脳血管疾患群の死亡指数は無条件体比では男女ともに高く,年齢層別の比較では,若年者層で高い傾向があった。脳血管疾患群の死因としては,脳血管疾患が重要であり,死亡数は脳梗塞21件,脳内出血35件,くも膜下出血18件で,いずれの死因でも国民表および無条件体の期待死亡数に対し超過を示したが,脳梗塞は高齢者層での死亡がほとんどで,第2傷病コードの死亡指数への影響も,脳梗塞で認められた。くも膜下出血は,若年者層・高齢者層ともに死亡の発生が見られ,若年者層では死亡指数が高かった。脳内出血は,高齢者層より若年者層で死亡数は少ない傾向があったが,死亡指数は若年者層で高かった。以上,脳血管疾患のいずれの病型とも,今後も動向を注視していく必要があるだろう。
- 2011-06-17
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