地域在住高齢者における運動習慣の重要性

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近年,身体活動を行うことが健康の維持や増進につながることから,健康関連体力という概念が浸透している。健康関連体力には,我々理学療法士が扱う機会の多い身体機能が多く含まれている。このことを前提に,今回は地域在住高齢者が運動習慣を持つことの重要性を,身体機能別に加齢変化を踏まえて検討した。対象は,高齢者健診事業に参加した高齢者で,運動習慣のある263名(以下,運動群;72.9±6.3歳,男性103名,女性160名)と運動習慣のない366名(以下,非運動群;73.0±6.0歳,男性150名,女性216名)である。対象者には,握力,膝伸展筋力,開眼片脚立位,Functional Reach Test,10m歩行,Timed Up & Go Testを実施した。統計学的検討として,2群間で体力測定値の相違を検討するためにunpaired t-testを,また加齢に伴う身体機能の推移をみるために単回帰分析を行った。その結果,群間比較では開眼片脚立位(p=0.01)と10m歩行(p<0.01)に有意差を認め,単回帰分析においては総じて運動群の体力水準が高い傾向がみられ,運動群の方が加齢に伴う体力の低下率が大きく,測定項目によって異なる特徴が見出された。以上のことより,地域在住高齢者の運動習慣の重要性が示唆されたが,高齢者の運動指導の際には,運動習慣の有無による体力推移の特徴や身体機能の特性を考慮して推進していく必要がある。
2009-12-20

地域在住高齢者における運動習慣の重要性

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