低周波電気刺激が筋血液量および酸素化動態に及ぼす影響 -異なる刺激周波数による検討-

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周波数の異なる低周波電気刺激が筋血液量および酸素化動態に及ぼす影響を検討するため,定期的な運動習慣のない健常成人7名を対象に近赤外線分光装置を用いて検討した。刺激周波数は5Hz,50Hz,100Hzの3条件を採択し,10分間右側の前脛骨筋を刺激した。結果,total-Hb,oxy-Hb,deoxy-Hbの全測定項目において,3条件間で経時的変化パターンに有意差を認めた。しかしそれらの差異はいずれも電気刺激中に認められ,回復期は類似した変化パターンを示していた。刺激中の変化パターンは5Hz刺激が独自の変化パターンを,50Hz刺激と100Hz刺激は類似した変化パターンを示していた。50Hz刺激,100Hz刺激の変化率は50Hz刺激の方が緩やかな傾向にあった。回復期は変化パターン,変化率ともに類似していた。すなわち電気刺激中の筋血液動態は周波数の違いにより異なるが,電気刺激後の反応では顕著な差は認められなかった。これらの刺激中の反応は,周波数条件の違いによる筋収縮様式や筋疲労,そして順応などの違いが誘因として考えられた。また刺激終了後の反応の誘因としては運動後反応性充血が考えられた。以上のことから今回のような一定した電気刺激では低頻度刺激である5Hz刺激でも高頻度刺激といえる50Hzならびに100Hz刺激同等の循環促通効果が期待できることが示唆された。同時に高頻度刺激については刺激中,疲労や順応に対する対策が必要であることも示唆された。またこれらの変化はtotal-Hbに比べoxy-Hb,deoxy-Hbにおいて顕著であったため,局所的な電気刺激による筋収縮での循環促通効果は血液量の増大に比べO2 extractionの増加が期待できることなども示唆された。
2002-12-20

低周波電気刺激が筋血液量および酸素化動態に及ぼす影響 -異なる刺激周波数による検討-

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