介護予防を目的とした運動教室の展開 : 小規模自治体からの実践報告

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虚弱高齢者に焦点をあてた包括的な介護予防システムが模索され, 運動教室をはじめとする介護予防事業が展開されている。こうしたシステムの構築には人口規模や財政状況など地域のもつ様々な要因が関与するため, 自治体独自の方策が求められる。ここでは高知県香我美町において実施してきた介護予防を目的とする運動教室を紹介し, 小規模自治体における教室運営のあり方を検討すると共に, 指導内容や運動機能の評価項目についても検討を加えた。検討方法は2004年度に実施した町内3教室の運営方法を参加状況をもとに比較検討した。同時に運動機能(握力, 膝伸展筋筋力, Timed Up & Go, 10m歩行時間, 開眼片脚立ち, 長坐体前屈の6項目)の変化を測定することで運動教室参加による効果を確認し, 指導内容や測定項目の適否を検討した。その結果, 運動教室の運営に際しては適切な集団規模と参加者相互の結びつき, Key personの存在などが考慮すべき点と思われた。また, 運動機能の変化に関しては, 地域別に開催した運動教室群(2教室)では指導内容に沿った有意な運動機能の向上が認められたが, 介助を必要とする教室群(1教室)では十分な変化を認めなかった。効率的かつ効果的な事業とするためには, 地域の人材を生かしたシステムを構築し, 継続的な運動習慣に結びつけることが必要で, 保健行政に携わる理学療法士や保健師の専門的な介入が不可欠と考えられた。
社団法人日本理学療法士協会の論文
2005-10-20

介護予防を目的とした運動教室の展開 : 小規模自治体からの実践報告

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