過疎地域・福島県三島町における生活工芸運動 : 内発的地域開発計画の特質(2)
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概要
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本小論は,福島県三島町において展開されている生活工芸運動の調査・検討に基づき,過疎地域における内発的地域開発計画の特質を考察したものである。三島町の生活工芸運動にみられる「内発性」は,地域の主体性を基調として,自然・歴史・風土・生活文化など,町が有する潜在的資質を再評価し,それを活性化しつつ,地域内外に「情報発信」していくもので,以下の特質を有している。1)三島町における生活工芸文化は,地域内に自生する豊かな天然素材を活用することによって初めて成立している。2)三島町においては,生活工芸による自立自存の生活・生業が展開されている。3)生活工芸に携わる三島町住民は,つくり手,使い手であると同時に,自然を守り,自然と共生するエコロジーの担い手である。また,これらは,「内発的地域づくり」の基礎的・普遍的条件として,広範な地域に適応可能な視座である。
- 日本デザイン学会の論文
- 1991-01-30
著者
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