前田正名にみる「内発的」地域開発理念 : デザインを通した在来産業の内発的活性化に関する検討
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概要
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本小論は,前田正名の著わした『興業意見』ならびに『所見』を主たる資料として,日本の明治期における「内発的」地域開発理念の検討を行ったものである。前田は,国が推進する欧米先進諸国からの「移植大工業優先施策」に対して「在来産業優先型」の近代化路線を主張・実践した。その地域開発理念は,国の内外で展開されている「外発的」地域開発に対峙する「内発的」地域開発の様態を示すものとして,今日的にも,十分な意義を有するものである。本小論においては,前田の「内発的」地域開発理念を構成する基本理念として,以下を抽出・考察した。1)「物に問う」実証的な地域特性把握に基づく地域づくり2)「地域の固有性」を発展の基盤とする地域づくり3)「地域住民の生活向上,民富の形成」を目的とする地域づくり4)「漸進的・段階的発展」を志向した地域づくりこれらの前田の指摘は,地域が主体的に発展していくための基本的指針として,内外の「内発的」地域開発に息づくものと考える。
- 日本デザイン学会の論文
- 1990-01-30
著者
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