椀の産地特性と意匠的特質 : 伝統的工芸品・椀に関する研究(6)
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概要
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本小論は「伝統的工芸品・椀の意匠に関する研究」の一部をなすものである。本稿では、日本における伝統的工芸品椀の国指定産地である浄法寺、輪島、山中の三つを取り上げ、それぞれの産地における椀の意匠特質の解析を行った。その結果、筆者は次の諸点を明らかにした。(1)通時代的にみた場合、産地ごとの椀の意匠特質は、[口径]と[高さ]の変化と、[口径]と[底部の厚み]の変化に差異が生じている。また、各産地とも同一の意匠特質を示すものは、[椀全体の高さ]と[高台の高さ]の変化、[口径]と[高台の直径]の変化などである。(2)通産地的にみた場合、時代ことの椀の意匠特質は各産地ことに変化しているものの、特に、全体の大きさ、表面処理に変化がみられる。また、表面処理についての変化は、とりわけ、第二次世界大戦後にみられる。
- 1989-03-31
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