椀の感覚特性と形状構成要素との関連 : 伝統的工芸品・椀に関する研究(4)

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概要

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椀が有する感覚特性を、「提示条件の違い」「認識度・体験度の違い」「伝統的工芸品と工業製品の違い」等の観点から、数理的に解明することを試みた。検討は、椀を感覚的に評価する際の評価用語の選定を行い、これをもとにして、感覚評価構造の検討を行った(主成分分析、確率集中楕円分析)。また、得られた感覚特性の結果と形状構成要素との対応関係の検討を行った(数量化理論I類)。得られた結果は、以下のように要約できる。(1)椀の感覚評価構造は、感覚的機能(質感)と実用的機能(実用性)とによって構成される。(2)感覚評価構造における椀は、伝統的工芸品が感覚的機能、工業製品が実用的機能において評価される傾向にある。(3)感覚評価構造において、感覚的機能と実用的機能を総合化した指標を設定し、最高の評価が得られると予測できる椀の形状構成要素を明らかにし、その形状設計を行った。
1989-03-31

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